日本史語らずにいられない!

日本史について掘り下げていきます。

2021-01-01から1年間の記事一覧

光秀の敗因:後編

答えはノーである。仮にも、天下の命運を決める戦いに挑もうとするのだ。負け戦覚悟のノープランで臨むほど、秀吉は無謀ではない。 そのことは移動中の非常食一つ取っても抜かりはない。先述の播田氏によると、一日の食糧だけでもおにぎり40万個重量にして約…

光秀の敗因:前編

明智光秀は謀叛に成功した。誤算はあれど彼が主君織田信長の弑逆を遂行し得たのは、光秀自身の慎重さにもあっただろう。 仮に彼がこの謀叛劇を他の誰かと結託して行ったとすれば、そこから計画が洩れていた可能性は高い。 その点で私は、本能寺の変光秀単独…

光秀の誤算:後編

話を整理する。明智光秀が畿内を制圧して、天下を取ろうとしたことは傍証はできる。 たとえば数年がかりで攻略した丹波、ここはまず都を押さえる意味で地理的に近い。 信長自身はそのつもりでこの国を光秀の領地にしたのではなかろうが、ここに居を構えてい…

光秀の誤算:前編

生憎NHK大河ドラマ「麒麟がくる」は熱心に観ていなかった。明智光秀の最期を想像するだけで、陰々滅々とした気持ちになると思ったからである。 たとえば司馬遼太郎。彼は『国取り物語・織田信長編』で光秀を信長にいじめ抜かせることで、主君への反感を殺意…